この記事の結論
<p>AIチャットボットの費用について公的機関が集計・公表した「相場」統計は、2026年9月時点で確認できません。費用の決まり方はSaaS型・カスタム開発型・生成AI連携型で根本的に異なります。本記事では、公式に月額料金を公開しているSaaS型AIチャットボット3社の料金(出典URL・確認日つき)、費用を左右する4つの要因、国の補助金の公式な補助率とITツール登録の考え方を解説します(出典:Zendesk/Freshdesk(Freshworks)/チャネルトーク/デジタル化・AI導入補助金事務局・2026年9月16日確認)。</p>
「AIチャットボット 費用相場」に単一の数字が無い理由
「AIチャットボット 費用相場」で検索すると、多くのサイトが「初期費用〇〇万円」「月額〇〇万円」といった数字を提示しています。しかし、経済産業省・総務省・中小企業庁など公的機関がAIチャットボットの導入費用だけを集計・公表した統計は、2026年9月16日時点で確認できません。
理由は、「AIチャットボット」という言葉が指す製品の幅が広すぎるためです。月額数千円から使えるSaaS型ツールもあれば、自社のFAQやシステムに合わせてゼロから構築するカスタム開発、ChatGPTやClaudeなど生成AIのAPIと連携させる方式もあり、それぞれ費用の決まり方が根本的に異なります。ひとつの「相場」でくくることに意味がありません。
そこで本記事では、根拠のない目安を示すのではなく、次の3点を出典つきで整理します。
- 公式に月額料金を公開しているSaaS型AIチャットボット3社の料金(出典URL・確認日つき)
- 費用を左右する4つの要因(会話数、有人切替、LLM利用料、多言語対応)
- 補助金を使う場合の、公式な補助率・補助額と「ITツール登録」の考え方
なお、AI導入費用全般の考え方(要因の詳細・API単価・見積もり比較のチェック項目)はAI導入費用の考え方で解説しています。本記事ではAIチャットボットに絞って掘り下げます。
公式に料金を公開しているSaaS型AIチャットボットの価格
チャットボット・カスタマーサポートSaaSの中には、料金を自社の公式サイトで公開している会社があります。2026年9月16日時点で確認できた3社の料金体系を紹介します。いずれも「AIチャットボット単体」の製品ではなく、問い合わせ管理や有人対応を含むカスタマーサポート基盤にAIチャットボット(AIエージェント)機能が組み込まれた製品です。
| サービス | 提供会社 | プラン | 料金 | AIチャットボット関連機能 |
|---|---|---|---|---|
| Zendesk | Zendesk, Inc. | Support Team | $19/エージェント/月(年払い) | 含まれない(チケット管理が中心) |
| Zendesk | Zendesk, Inc. | Suite Team | $55/エージェント/月(年払い) | AIエージェント・AIナレッジベースを追加 |
| Zendesk | Zendesk, Inc. | Suite Professional | $115/エージェント/月(年払い) | Suite Teamの機能に加え管理者向けCopilot等 |
| Freshdesk | Freshworks Inc. | Growth | $19/エージェント/月(年払い) | Freddy AIエージェント(初回500セッションまで無料・アカウントにつき1回限り) |
| Freshdesk | Freshworks Inc. | Pro | $55/エージェント/月(年払い) | Growthの機能に加え多言語ヘルプデスク等 |
| Freshdesk | Freshworks Inc. | Enterprise | $89/エージェント/月(年払い) | Freddy AI Insights・スキルベースルーティング等 |
| チャネルトーク | Channel Corp | 無料 | 0円/月 | 基本的なチャット対応のみ(AIエージェントALFは対象外) |
| チャネルトーク | Channel Corp | Early Stage | 2,700円~/月(年払い・25%割引後) | 顧客ALF(AIエージェント)は使った分だけの別料金オプション |
| チャネルトーク | Channel Corp | Growth | 9,000円~/月(年払い・25%割引後) | 同上 |
上記は各社公式サイトで2026年9月16日に確認した基本プラン料金です。Zendesk・Freshdeskは日本語ページでも米ドル建てで公開されています。実際の請求額は契約時の料金・エージェント数・年払いか月払いかで変動するため、必ず各社公式サイトの最新料金をご確認ください。
Zendeskの料金
Zendeskは「Support Team」「Suite Team」「Suite Professional」「Suite Enterprise + Copilot」の4プラン構成です。公式サイトのプラン比較表では、AIチャットボットとして機能する「AIエージェント」はSupport Teamの標準機能一覧には無く、Suite Team($55/エージェント/月)以上で「Support Teamに追加される機能」として明記されています。Suite Professionalではさらに管理者向けCopilotや文章作成ツールが加わります。最上位のSuite Enterprise + Copilotは料金が公開されておらず、営業への問い合わせが必要です。なお同じ公式サイトのFAQ欄には「AIエージェントはすべてのSuiteおよびSupportプランに含まれる」との記述もあり、Support Teamでの具体的な利用条件は公式サイトのプラン比較表だけでは確定できないため、契約前に営業への確認をおすすめします。出典:Zendesk「料金プラン」(2026年9月16日確認): https://www.zendesk.co.jp/pricing/
Freshdesk(Freshworks)の料金
Freshdeskは最下位のGrowthプラン($19/エージェント/月)から生成AIチャットボット機能「Freddy AIエージェント」が使えます。公式サイトのFAQには、Growth・Pro・Enterpriseの全プランで「500件の無料セッションを提供」とあり、これはアカウントにつき1回限りのお試し枠と明記されています(月ごとに毎回付与される枠ではありません)。この無料枠を使い切ると、以降は100セッションあたり$49で追加セッションを購入する仕組みです。Proプラン($55/エージェント/月)では多言語ヘルプデスクやカスタムダッシュボードが追加され、AIによる下書き作成等を行う「Freddy AI Copilot」は全プラン共通の有料アドオン($29/エージェント/月)です。出典:Freshworks「Freshdesk Pricing」(2026年9月16日確認): https://www.freshworks.com/freshdesk/pricing/
チャネルトークの料金
チャネルトーク(運営:Channel Corp)は日本語サイトで円建ての料金を公開しています。基本プラン(無料・Early Stage・Growth・Enterprise)とは別に、AIエージェント「ALF」は使った分だけ課金される従量課金のオプションです。チャットでALFが問い合わせに参加すると1回あたり50円、複雑な処理を行う「タスク」機能は無料と公式サイトに明記されています。利用量は複数機能を合算した「ALF Unit(AU、1AU=0.1円)」という単位で計算されます。出典:チャネルトーク「料金」(2026年9月16日確認): https://channel.io/jp/pricing
費用を左右する4つの要因
上表のとおり、同じ「AIチャットボット」でも基本プランの月額だけでなく、機能の解禁ラインや従量課金の仕組みによって総費用が変わります。見積もりを比較する際は、次の4点を確認してください。
会話数・セッション数(従量課金の起点)
多くのSaaS型AIチャットボットは、基本料金に含まれる会話数・セッション数の上限を超えると追加費用が発生します。Freshdeskはアカウントにつき1回限りの無料500セッションを使い切ると以降は100セッションあたり$49、チャネルトークは問い合わせへのALF参加1回あたり50円が加算される仕組みです(いずれも2026年9月16日、各社公式サイトで確認)。自社の想定問い合わせ件数を事前に見積もっておかないと、契約後に想定外の従量課金が発生します。
有人オペレーターへの切替(AIエージェント機能の解禁ライン)
AIチャットボットが解決できない問い合わせを人のオペレーターに引き継ぐ「有人切替」機能は、下位プランには含まれないことがあります。Zendeskの場合、公式サイトのプラン比較表ではオムニチャネルルーティングやAIエージェントはSuite Team($55/エージェント/月)以上で追加される機能として整理されています(2026年9月16日、公式サイトで確認。ただし同サイトのFAQ欄にはAIエージェントが全プラン含むとの記述もあり、下位プランでの実際の利用条件は営業への確認が必要です)。「AIチャットボットを導入したい」場合でも、契約するプランによってはAI機能や有人連携の範囲が変わる可能性がある点に注意してください。
生成AIモデルのAPI従量課金(自社でLLMと連携させる場合)
パッケージ化されたSaaSではなく、ChatGPT(OpenAI)・Claude(Anthropic)・Gemini(Google)などのAPIと自社で連携させてチャットボットを構築する場合は、処理したトークン数に応じた従量課金が費用の中心になります。各社の公式単価と試算方法はAI導入費用の考え方の「公表されている価格」の章にまとめています。同じ質問でも使用するモデルのグレードによって単価が数倍から数十倍変わるため、精度が必要な部分にだけ上位モデルを使うといった設計が費用を左右します。
多言語対応
多言語対応も、プランや機能によって扱いが分かれます。Freshdeskの多言語ヘルプデスクはGrowthプランには含まれず、Pro($55/エージェント/月)以上の機能です。一方チャネルトークは、AIエージェント「ALF」が32言語に対応すると公式サイトに記載されており、2026年9月16日時点の確認では多言語対応自体への追加料金の記載はありませんでした(利用量に応じたAU課金は別途発生します)。対応言語の範囲と追加費用の有無は、契約前に各社へ個別確認することをおすすめします。